『ベーシック・インカム』

タイトル ベーシック・インカム
著者名 原田泰
出版社 中公新書
出版年 2015,2

読了日 2017,6,13

 

要約
従来の会社を中心とした社会保障が、非正規雇用の増加により行き詰っている。よりよい雇用を生み出そうと公共事業を増やしてきたが、うまくいかなかった。現状の生活保護費は働くともらえなくなるため、収入を申告しない人がいるという課題がある。
そこでベイシック・インカムが提案できる。富の正当性を否定する人は高い税を正当化するが、累進課税(所得再分配)は人類の前進意欲を削ぐとして反対する人がいる。国家に家父長的な役割があるとして反対する人もいる(それが行き過ぎだとする意見もまたある)。
つまりBIをめぐる思想は所得再分配への賛否、家父長主義への賛否で整理できるのだ。


BIの実現可能性について考える。BIは全ての社会保障政策に代替するものである。所得控除をやめて所得に課税(30%)し、公共事業予算、中小企業対策費、農業予算、福祉費、生活保護費、地方交付税交付金を、BIの予算とでき、BI導入による赤字を上回る金額である。また成長により所得が増え、税収も増えるので、1人1ヶ月7万とする案では、十分に実現可能である。

 

感想

ベーシックインカムは本当にいい制度だと思う。何より、無駄な人件費(生活保護対象者の決定)が削減されるべきだという考えに、賛成する。